その学校は坂の上にあって、その坂を自転車に乗ったまま昇るのはひと苦労で、ほとんどの男子生徒はやる気なく、
その坂に到達すると即座に自転車を降りて押して登るのが常で、そんな中でも元気な女の子たちは
スィスィ昇っていってしまいます、もちろん、体育の先生なんかもお前ら男なんだからしっかりしろ!
なんて言っていますが、そんな先生も実はぜんぜん自信がなくってスクーターや自動車で通勤してくるのでした。
さて、その中でも、ひときわの息切れで毎日ハァハァ言いながら登校してくるのが一樹。
色白で細身の整ったきれいな顔立ちをしているのは、毎日朝から体力を使い果たしてダイエットしているからなんでしょうか。
「ねぇ、一樹、なんでそんなに息切れしてんのぉ? アタシらなんてぜんぜん息切れしないし」
「むしろ朝から体が動かせるから眠気さましにぴったりなんだよねぇ、なんで男の子達って、朝からやる気ないのか分かんないよぉ」
「うぅ〜ん、だってぇ、他の人は分かんないけど僕はちょっと疲れちゃうんだよねぇ」
そんな風に答えますが、元気で暇で時間のたっぷりある彼女たちはちっとも理解してくれません。
「そっかぁ、そしたら元気になるように鍛えてあげるよぉ!」「うん、いいねぇ、そうしよぉ!アタシ達が毎日鍛えてあげる!」
「えぇ!ぼ、僕、お、女の子に鍛えられちゃうのぉ?ば、馬鹿にしないでよぉ!」
「まぁまぁ、それはそれとしてとりあえず体育館でどっちが強いか試してみるのもいいんじゃあない?」
「一樹はおとこのこなんだしウチら女の子だから手加減してよねぇ、あははぁ♪」
「じゃぁ、はじめよっかぁ」みくるが審判になって二人はマットの上で両手を高く上げて組み合います。
「おりゃぁ〜!ハルヒになんか負けないしぃ!!」そういって一樹は思い切って両手に力を込めます。
ところが、細くて長い手を持つハルヒはその組んだ手の力を逆に”すぅっ”と抜いてしまいました。
「うわぁ〜!?あ、あれぇ〜ぇぇぇ!!!」”どっすぅぅぅん!!!”一樹がマットの上に倒れこんでしまいます。
「一樹ったら、ずるぅぅぅい!!!手加減してって言ったのにぃ!手加減してくんないじゃぁん」
そう言いながら、逆に彼の上に馬乗りになってスリーパーホールででガッチリと首をロックしてしまいました。
「う、うわぁ〜!!むんぎゅぅぅぅ!!!く、苦しぃぃぃ!!女の子なのになんでそんな素早いのぉ〜」
「あははぁ、あったりまえじゃぁん、一樹が男の子なのに手加減してくんないから懲らしめてやるんだぁ」
「やっちゃえぇぇ! 今度は三角絞めいっちゃえぇ!!!」「オッケー!わかったぁ、三角絞めやっちゃうよぉ!!!」
そう言いながら、素早く彼の目の前に体を持ってくるとうつ伏せに倒れこんでいる彼の片手を持って、
三角絞めを極めにいきました。「うわぁぁぁ!!!さ、さんかくしめってナニ???そ、そんなの知らないよぉ!?」
「だから教えてあげるんじゃぁん、もっと強くなるために色んなこと教えてあげるしぃ♪」
「そうだぁ、アタシ達がボコボコにしちゃおうよぉ♪鍛えてたらいつの間にか強くなっちゃっても困るから
今のうちに潰しちゃおうっかぁ〜」「いいねぇ〜、まだ芽が出ないうちにぼっこぼこにして潰しちゃお〜☆」
そう言って、みくるまでもが一樹に襲いかかりました。一樹は三角絞めを極められて首を太ももで絞め上げられ、
しかも彼の片手はしっかりとハルヒが握って引っ張り上げています。しかも、みくるはそんな一樹の小さはお尻を
ガンガンと踏みつけてから、おもむろに彼の細くて長い足を取り上げるとアンクルロックからその足を交差させて
うつ伏せ足四の字固めの関節技で無理やり関節を壊すべく痛めつけてしまいました。
まだまだ、成長途中で柔らかい関節の一樹でしたからその関節が”ぎりぎりぎりぃぃぃっ!!!”と
唸りを上げて引きちぎれんばかりに骨の中から悲鳴が上がります。ところが、彼の口からは悲鳴が上がりません。
そうです、ハルヒに三角絞めをされているのでとてもじゃないですが声がでなかったのです。しかも、
ハルヒの太ももの間でケイはじわじわと絞め殺されるようにして失神に向って頭の中を白くジンジンとさせていっているのです。
「むん、むんぎゅぅぅぅ!!あ、頭が白くなってくるぅぅぅ!!!」
「ほらぁ、ぜんぜんぼこり足んないんだけどぉ♪もっともっとぼこぼこにしちゃいたんだぁ」
「だよぉ、そんなに弱いんじゃぁこれから生きていけないかもしんないじゃぁん」みくるも足固めをかけながら言います。
「そしたら、今度は首四の字固めいっちゃおっかぁ♪」「いいねぇ、がんがん絞めて落ちる寸前で止めてやっちゃおう!」
一瞬、三角絞めから首四の字固めに移行する際に一樹の上半身は自由になりましたが、残念ながらみくるに足固めを
極められている上に、三角絞めで絞め落とされる寸前でまだ頭の痺れが回復していなかったし息切れもひどくて
だいぶ体力を奪われていたので、少しだけ手をバタつかせましたが逃げることはできませんでした。
「じゃぁ、首四四の字固めねぇ、女の子の太ももの間でがっくりと頭を落とす瞬間がみてみたぁ〜いしぃ」
「む、むんぎゅぅぅぅ!!!く、苦しぃぃぃ!!!ふんはぁ!ふんはぁ!む、む……」
一樹の顔がみるみるうちに真っ赤に染まって端整な顔立ちのそげ落ちた白かった頬が膨らんでいきます。
「ほらぁ〜、見事にハマったじゃぁん♪」「やったぁ、一発で頸動脈を見っけられたぁ♪」
「じゃぁ、このまんま、じっくりと絞め落とす寸前で寸止めこうげきぃ〜」
「あははぁ、ざんこくぅ〜、 一気に絞め落とさないで完璧に体力を奪っちゃうって作戦ねぇ、ひっどぉ〜い☆あははぁ」
「ふんはぁ!ふんはぁ!む、む……」「一回目ぇ〜♪」言ってハルヒは少しだけ太ももの絞めを緩めてやります。
「ふんはぁ!ふんはぁ!む、む……」「二回目ぇねぇ〜♪」「あははぁ、何回いっちゃうかチャレンジだぁ〜」
「だねぇ、男の子ってどこまでもつか試してみたくなってきたぁ〜」「ふんはぁ!ふんはぁ!む、む……」
こんなことを何回も繰り返して、とうとう一樹は体力を限界まで使い果たしたようにしてがっくりとうなだれてしまいました。
ハルヒにボコられて三角絞めや太ももでの首四の字で、なんども絞め落とされそうになって、 かなりダメージを食らった一樹です。
「ほらぁ〜、起きなさいよぉ、どうしたんだよぉ、おとこのこでしょぉ、やっぱ体力つけないとダメだねぇ」
言ってハルヒは一樹の頬をパンパンとひっぱたいて起こします。何回か叩くとびっくりするように目を覚ましました。
「はぁ!!!」と気がついた一樹は、 ハルヒに首四の字をかけられたまま恐る恐る彼女のほうを向きました。
太ももとスカートの間の谷間からおとこのこのかわいらしい成長途中の顔がのぞいている。
「あ〜、苦しい!なんだよ、ズルイよ!」 一樹は渾身の力を込めてスカートと太ももの間から反論してみた。
「じゃあどうすればいいのよ☆」と今だに足四の字固めをかけたままの真子が彼よりももっと強気の口調で言います。
「口だけは元気いいじゃない、逃げてもいいし、反撃してもいいよん☆でも、こんな状態じゃぁ無理かもねぇ」
つぎつぎ襲ってきた容赦のない絞めに、手で太ももを叩いたり引き離そうとさえぎるがまったく役に立たなかったことも
一樹は知っていましたが、まだまだ男の子であることをアピールしたかったのでしょう。
彼は体が動かないもどかしさに、おもわず空いている両手で 思いっきりハルヒのやわらかいバストを触ってしまいました。
故意に触ったのではないかもしれないが、触ってしまったのだから仕方ありません。それがかえってハルヒの心に火をつけ、
「なによ!こんな状況でなに考えてんのょ!まったくぅ、一樹はぁ、仕方ないんだからぁ♪」
ハルヒは太ももの絞めを外しそのまま、あっという間に体をずらして腕ひしぎ十字固めを極めてしまいました。
「あはは、早くに逃げなょ〜、ハルヒを乗っけてなんで逃げらんないのぉ〜、おもっしろぉ〜いぃ男子が女子に技掛けられてるぅ」
みくるが可笑しそうに笑っています。 最初は呼吸が苦しくなり顔に体中の血液が充満したように感じると、頭がシビレたようになります。
それはそうだろう、柔らかい女の子の太ももがしっかりと彼の首元から肩の関節までをロックしているのだから…。
おそらく、そのまま絞められ続けたら呼吸困難で失神するのでしょうが、今回も先ほどの太もも首四の字と同様に、
そこまでは絞めない。ハルヒの残酷さと絞め技に対する思い入れがそうさせているのかもしれませんでした…。
「おぉっと〜ぉ、今落ちそうになったでしょぉ♪そう簡単には落としてやんないからねぇ〜」
「ぜったい落ちるないでね!もし今落ちたらひとり置いて帰っちゃうから。ついでに体に落書きしてやるよー。
ボクはオンナノコに負けマシタって。」 「え〜、マジかよ〜、そんなことすんなよ〜、まだ負けてるわけじゃないし!」
「ぢゃあ、落ちたり、ネを上げたりしないでねぇ」「はいぃ!!!がんばりますぅ〜、ぜんぜんがまんしますぅ〜」
「なに言ってんだかぁ、この状況でぇ〜」「あはは、がんばりまぅ〜だってぇ、ハルヒにからかわれてるんだよぉキミはぁ☆」
みくるの言葉が一樹の心に突きささりますが、しかし、もう何度も落とされかけ、
背中に女のコを乗せ部屋中をはいずり回っているので息も絶え絶えになって来る一樹。さっきは完璧に落とされたのに
やはり若いからでしょうか、復活するのも早いようでした。一樹の首の周りの筋肉やせっかく成長して、
男らしい声が出せるようになった、男性特有のノドボトケも捻挫したようにズキズキと痛みが走ります。
彼の上に乗っているのは、女の子といってもどこにでもいる普通の可愛らしい細身の体格です。
でも、今、男の子の一樹は 完全に負けちゃっているんです。この状況を逆転させるのはかなり難しいのでしょう。
こうなったら、もう、ハルヒの独壇場である。 腕ひしぎ十字固めを離したら、彼の首元を捕まえたら仰向けのままで、
腹パンチ。その衝撃で少し顔に正気が戻った一樹に対してハルヒは、「どう?少しは気力が復活した?」
「うん!なんとか!僕なんだかおんなのこに負けてもいいって気になってきた。おんなのこって本当は強いんだね」
「あっら!素直になったじゃない!わかったよ、許してやるよ!カワイイところあるじゃん、♪」
「ぢゃあメインイベントいくよ〜、いまみたいにスパーリング人形になって耐えてね! 骨がイっちゃったらゴメンって事で!」
「ハァハァ、ハァ。マ、マジっすか?骨はちょっと …」 「おっ、えらいじゃん?敬語使えるようになったじゃん、でも、どうなっても知らないからねぇ」
ハルヒは倒れこんでいる一樹の背後にすばやく回りこんだら、自分の太ももを彼の首に引っ掛けて首四の字固めに移行し、
白くて引き締まった長い足を首に巻き付けたら、さらに絞め上げるために自分の手で持ってグイッと絞めあげた。
「あふーっ苦しいですー、頭がシビれますぅー、なんか白くなってきましたぁー、今日何回こんな白いのを体験したのかぁ」
「あははぁ、もうダメなのぉ?でもフツーに落ちたらつまんないかんね。落ちる瞬間になんか言ってね♪」
身体全体がダメージを受けほとんど抵抗どころか動きが鈍くなっている一樹。全身から汗が噴き出しています。
「じゃあ、最後のひと絞めね」 ハルヒは一樹に絡めた首四の字の太モモにグイグイと力を込めていきました。
「落ちます〜!ハルヒぃぃぃ大好きぃぃぃ!女のコっぽくて可愛いところとかが好きなのぉー!!!」
確かにこういったが、途中からろれつが回らなくなり、なにを言ってるのか分からなくなっっていました。
「えぇ〜、そんなのストーリーにあったけぇ?」と言いながら細くて長い足の太ももで軽〜く絞め落としてしまいました。
そして、意識のなくなり、床にべたりと横たわっている彼に、
「あぁあ、全治二週間ね、でも、もっとハリのある奴かと思ったけど、ぜんぜんだったな♪うふっ」
体育館にはだらしなく転がっている男の子がひとりと、女の子ふたりの楽しそうな笑い声が響いていました。